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アルフレッド・アドラー概論とアドラー心理学

個人心理学が正式な呼び方であるが、日本ではあまり使われていないです。

アドラー自身は自分の心理学について、個人心理学と呼んでいました。
それは、個人とは分割できない存在である、と彼が考えていたことによります。

アドラーが自分の心理学について個人心理学と呼んだように、アドラー心理学では、個人をそれ以上分割できない存在であると考えることから、人間の生を、個人という全体が個人の必要な機能等を使って目的に向かって行動している、というふうに考えています。
より具体的には、人間は相対的にマイナスの状態（劣等感を覚える位置）から、相対的にプラスの状態（優越感を覚える位置）を目指して行動している、と考えています。

アドラー心理学の理論的な枠組

次の5つを基本前提として受け入れていることによって成立している。

個人の主体性（Creativity）

アドラー心理学では、個人をそれ以上分割できない存在であると考えて、全体としての個人が目的に向かって、行動していると見ています。
アドラー心理学では、個人の創造力、創造性を評価していて、それが個人の変化を可能にする根拠です。

目的論（Teleology）

全体としての個人は、生物学的には、個体保存と種族保存、社会学的には、所属、心理学的には、その人らしい所属、という目標のために行動してという原理です。

全体論（Holism）

アドラー心理学では、個人を、例えば、心と身体のような諸要素の集合としてではなく、それ以上分割できない個人です。
したがって、アドラー心理学では、心と身体、意識と無意識、感情と思考などの間に矛盾や葛藤、対立はありません

社会統合論（Social Embeddedness）

人間は社会的動物であることから、人間の行動は、すべて対人関係が原因です。
アドラー心理学では、人間が抱える問題は、すべて対人関係上の問題です。

仮想論（Fictionalism）

アドラー心理学では、全体としての個人は、相対的マイナスから相対的プラスに向かって行動する、と考えています。
人間は、自分があたかも相対的マイナスの状態にあるように感じているので、それを補償するために、あたかも相対的プラスの状態を目指しているかのように行動するだけです。

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